pH自動中和処理装置 選定の為の基礎知識

pH自動中和装置の選定にどんな情報が必要か?

A:4項目あればお見積可能です。下記にて解説します。

処理流量(m3/h)

装置の能力を時間あたりの最大流量に合わせて設計します。

併せて一日の処理流量(m3/d)もわかるとより正確です。

原水pH値

装置の能力を設計するにあたり必要になります。

pH値が変動する場合は、変動の最大範囲も確認が必要です。

原水温度

温度によっては PH調整が難しい場合や機器を高温タイプに変更する必要があります。

槽の材質も考慮が必要です。

電極も温度補償のついた電極へ変更します。

排水の種類

例えば透析排水、コンクリート工場の排水原水などをご連絡下さい。成分によっては PH調整に緩衝する物質が含まれる場合がありますので設計見積に影響します。

また原水成分によっては PH中和によりSS分が析出することがありますのでご相談ください 。

打ち合わせが進むと必要な情報

上記の項目でお見積りは可能ですが、打ち合わせが進み、施工の有無や原水ポンプの有無など、細かい仕様打ち合わせに入ります。

屋外or屋内、設置スペースの確認、試運転調整の有無などで金額変更となる場合がありますが、まずは上記4項目でだいたいの予算感は掴んで頂けると思います。

中和処理の設置後に必要なメンテナンスは?

A:中和剤薬液の補充や電極洗浄、校正があります。

中和剤の補充

頻度:都度

中和剤が無くなると中和できなくなります。薬液槽にレベルセンサがついている場合は制御盤側で確認できますが、ない場合は目視でチェックし補充して下さい。

pH電極の洗浄

頻度:2週間に1回程度

pH電極に汚れやスケールが溜まると、pH値を正確に読み取れなくなります。

汚れによって洗浄方法が変わります。

懸濁物・微生物などによる汚れの場合

清水で汚れを洗い落としてください。

■油による汚れの場合

中性洗剤溶液に浸して汚れを洗い落としてください。その後、清水で中性洗剤溶液を洗い落としてください。

■化学的汚れの場合

1~2%の塩酸溶液もしくはサンポールに数分間浸して汚れを洗い落としてください。その後、清水で塩酸溶液を洗い流してください。

pH電極の校正

頻度:3カ月に1回

pH電極は時間がたつと少しづつ計測が狂ってくるため、季節の変わり目に校正を行うことを勧めます。

ポンプの消耗品交換

頻度:1年に1回(推奨)

薬注ポンプの消耗品(ダイヤフラム、パッキンなど)交換はメーカー推奨1年が基本です。

pH中和処理装置に必要なスペース

A:処理量によって変わります。下記は一例になります。

中和処理量(原水量)必要スペース(m)
1m3/h700W×1400L×1600H
3m3/h1000W×1730L×1700H
6m3/h1400W×2080L×1770H
10m3/h1600W×2250L×2250H
20m3/h2000W×2770L×2600H
設置スペースはあるが、搬入出来ない!

忘れがちなのが搬入経路の確保です。

扉を経ての屋内設置の場合は「ユニットタイプ」の自動pH中和処理装置では搬入できないという事が見受けられます。

そのような場合は、搬入経路の大きさを考慮した機器を選定し「現地で施工・組み立て」をする必要があります。

エイチツーでは多くの現場で現地施工設置により中和プラントを手掛けてきました。お気軽にご相談下さい。

原水のpHが一定じゃない排水の中和処理

A:両側制御が必要です。

自動pH中和装置の選定の際には、原水のpH値がいくつなのかが大きな項目になります。しかし、排水の種類によっては原水pHが一定でない場合があります。原水が酸性だったり、アルカリ性だったりする場合には、中和装置は「両側制御」を選びます。

中和処理装置のランニングコスト

A:薬液中和方式と、炭酸ガス方式で比較してみます。※金額は参考価格です。

薬液中和方式(希硫酸の場合)

例)100m3/hの場合

pH=11→pH=8 に下げる際の希硫酸注入量は、

8.036(kg/H)-0.00836(kg/H)≒8.03(kg/H)

[8.03(kg/H)/100(m3/H)≒0.08(kg/m3)=80(ppm)]

希硫酸単価を30 円/kg と仮定すると、ランニングコストは、

8.03(kg/H)×30(円/kg)≒240(円/H)

1 時間当たり240 円のランニングコストが必要。

炭酸ガス中和方式

例)100m3/hの場合

pH=11→pH=8 に下げる際の炭酸ガス注入量は、

10.115(kg/H)-0.010115(kg/H)=10.105(kg/H)

[10.105(kg/H)/100(m3/H)≒0.1(kg/m3)=100(ppm)]

炭酸ガス単価を150 円/kg と仮定すると、ランニングコストは、

10.105(kg/H)×150(円/kg)=1500(円/H)

1 時間当たり1500 円のランニングコストが必要。

pH中和処理のご依頼はエイチツーまで。

トヨタ自動車様をはじめ、信越化学工業様、サンガリア様など、大手工場様から、小さなビルのクリニック様にも設置実績がございます。pH自動中和処理装置はエイチツーまで是非お気軽にお問い合わせ下さい。

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