ダイヤフラムポンプの基礎知識
1. ダイヤフラムポンプとは?
ダイヤフラムポンプは、ゴムや樹脂でできた「膜(ダイヤフラム)」を前後に動かすことで液体を吸い込み・吐き出すポンプです。
「空気入れ」の動きをイメージすると分かりやすく、空気ではなく液体や薬品を動かすことができます。
📌 ダイヤフラムポンプの動作(動画)
- 左右に動くゴムの膜が「ピストン」の代わり
- 膜が引っ張られると液体を吸い込む
- 膜が押されると液体を押し出す
- 吸い込み口と吐出口には「逆止弁(チェックバルブ)」がついていて、液体は逆流しません
2. ダイヤフラムポンプのしくみ
- エア駆動タイプ:圧縮空気を使って膜を動かす
- モーター駆動タイプ:モーターの回転を利用して膜を動かす
つまり「動力源」が違うだけで、基本原理は同じです。
3. メリット(良いところ)
- ✅ 液体や薬品がポンプ内部の金属部分に触れにくい → 腐食性の薬品も送れる
- ✅ 自吸能力がある → ホースの中に水がなくても吸い上げられる
- ✅ 異物や固形物を含んだ液体も対応可能(食品、化粧品、化学薬品など)
- ✅ シールレス構造 → 液漏れしにくく、メンテナンスが楽
- ✅ エア駆動なら防爆性が高い → 火気厳禁エリアでも安全に使用できる
4. デメリット(注意点)
- ⚠️ エア駆動タイプは大量の圧縮空気が必要 → ランニングコストが高い
- ⚠️ 膜(ダイヤフラム)が摩耗・破損する → 定期交換が必要
- ⚠️ 吐出量が脈動的(ドクンドクンと出る) → 均一な流れが必要な用途では不向き
5. どんなところで使われるの?
ダイヤフラムポンプは多くの産業で活躍しています。
- 🍫 食品工場:チョコレート・シロップ・ソースなどの粘度の高い液体
- 🚗 自動車工場:塗料・薬液の移送
- 🧴 化粧品工場:クリーム・ローションなど粘り気のある製品
- 🔬 化学工場:酸やアルカリなど腐食性の液体
- 🏭 製鉄・表面処理:廃液処理や薬液供給
6. 株式会社エイチツーのラインナップ
株式会社エイチツーのダイヤフラムポンプラインナップを紹介します。
7. 株式会社エイチツーの主な事業領域
- 耐熱水中ポンプ
- 高粘度移送ダイヤフラムポンプ
- スネークポンプ
- ロータリーローブポンプ
- 高粘度移送サニタリードラムポンプ
- 浮上油回収スカムスキマー
- pH中和処理装置
特に**「高粘度液」「薬品」「耐熱性が必要な現場」**での移送に強みを持っています。
8. まとめ
- ダイヤフラムポンプは「膜の動き」で液体を送るポンプ
- 液漏れしにくく、安全にいろんな液体を移送できる
- 食品から化学、製鉄まで幅広い業界で使われている
- ただし、圧縮空気の消費や部品交換など注意点もある
出典・参考
- 日本産業機械工業会「ポンプハンドブック」
- 一般社団法人日本ポンプ工業会 技術資料
- 株式会社エイチツー 技術資料