スラリーってよく聞くけど
「スラリー」という言葉を聞いたことはありますか?
排水処理や塗料・土木・化学・表面処理系の工場であればよく聞く言葉では無いでしょうか。
「スラリー」は工業分野でよく使用される文言で、液体に固体が混ざったような、ドロドロした懸濁液を指すことが多い用語ですが、どういった状態をスラリーと呼ぶのでしょうか?
スラリーは泥漿などとも呼ばれ、液体に個体の粒子が混在している状態を指します。
簡単に言うと「液体の中に、とても小さなつぶつぶ(固体)がたくさんまざっている状態」です。
産業の生産プロセスで使用される場合もあれば、工業排水などの過程で、生成されるケースもあります。
排水の分野では、スラリーと意味合いが似ているスカム、スラッジ等と混同される事もよくありますが、これらは液中に含まれる粒子量の差や、その性質から、全く違うものとして判断が可能です。
こんなモノまで「スラリー」

ここでは身近な「スラリー」を紹介していきます。
①ココア
→お湯の中にココアの粉が混ざっている
②泥水
→水の中に砂や土が混ざっている
③ペンキ
→液体の中に色の粉(顔料)が混ざっている
スラリーの定義
製造現場や排水処理の打ち合わせで、
「これはスラリーです」
「スラッジが詰まっていて」
「スカムが浮いている」
といった言葉を耳にすることがあります。
これらは似たように聞こえますが、中身はまったく別物です。
スラリーとは、液体の中に細かい固体が混ざり、流動性を保っている状態を指します。
一方、スラッジはその固体が沈み、ドロドロにたまった状態です。
さらに、油分や軽い固形物が水面に浮いたものをスカムと呼びます。
この違いを曖昧にしたまま設備を選定すると、
- ポンプがすぐ摩耗する
- 配管が詰まる
- 処理能力が出ない
といったトラブルにつながります。
重要なのは、
「これは流すべきスラリーなのか」
「すでにスラッジ化しているのか」
「スカムとして回収すべきなのか」
を正しく見極めることです。
物質の状態を正しく理解することが、設備寿命・処理コスト・安定稼働を大きく左右します。
また、生産業において、移送が困難な個体粒子を液体(おもに水)とともにポンプなどで移送する、スラリー移送が用いられます。
※サスペンション流体:懸濁液の意味を持ち、個体粒子が液体中に分散した液の事を指します。
ポンプ選定でのスラリー・スラッジ・スカム
ポンプ選定において、スラリーやスラッジ・スカム回収のポイントを解説します。
スラリー
液体+細かい固体が混ざって“流れている”状態
🔧 ポンプ視点の特徴
- 流動性:ある(条件次第)
- 摩耗:大きい
- 詰まり:粒径次第で起こる
🧰 向いているポンプ例
⚠ 注意点
- 粒径
- 固形分濃度(wt%)
- 比重
- 沈降しやすさ
スラッジ
沈んでたまったドロドロ物
🔧 ポンプ視点の特徴
- 流動性:ほぼ無い
- 高粘度・高濃度
- 固形物が塊になる
🧰 向いているポンプ例
- スクリューポンプ
- プログレッシブキャビティポンプ
- ロータリーローブポンプ
⚠ 注意点
- 吸い込み不能が多い
- 攪拌・希釈が前提になることも
ポイント: 「流す前に“動かせる状態”にする必要がある」
スカム
表面に浮いてくる油・泡・軽い固形物
🔧 ポンプ視点の特徴
- 比重が軽い
- 空気を巻き込みやすい
- 不均一
🧰 向いているポンプ例
⚠ 注意点
- キャビテーション
- 空運転
- 吸込み不安定
ポイント: 「液体より“浮遊物回収”の発想が重要」
もっとスラリーについて知りたい方は
流体技術マガジンにて詳細を解説しています。ダウンロードは下記より無料で行えます。
